センター紹介

センターの概要・設立の趣旨

 筑波大学の「指定国立大学法人」構想では、「学際的な協働の上に新たな学問分野を創成」する「真の総合大学」を目指す大学像としており、分野や組織を超えた異分野横断的研究により地球規模課題の解決に貢献することとしています。医学医療系においても、先端的な科学技術研究開発機関が集積するグローバル・バイオコミュニティー候補地域である筑波研究学園都市を中核として、つくば市に所在する複数の国研・企業との共同研究を推進し、世界最大級のヒト・動物・植物の多様なバイオリソースに立脚した医・食・環からなる学際的な生命科学研究と人工知能技術を融合させた「つくばデジタルバイオ国際拠点」の形成を推進する共創の場プロジェクト(バイオ分野/政策重点分野)を実施しているところです。
 また、つくば地区に集積する国研が行ってきたエコチル調査研究(環境研)や食生活が健康に与える影響を調査したSIP事業(農研機構)等のビッグデータを筑波大学内で活用する組織間連携基盤の構築に向け始動しています。
これらの研究分野、成果の集積と、最先端の研究基盤を基礎とし、本事業では、医学領域の課題解決に向けて、最先端のデジタル(AI)技術とサイバニクス等の先端工学技術を取り込み、医学・情報学・工学がUnder-one-roofで連携するサイバーメディシン研究センターを組織整備し、社会実装に向け自治体・企業と連携する研究体制を構築しました。
 この異分野融合研究体制は、バイオファーストのデジタル解析技術を有する人材育成につながり、新学術領域の研究と人材育成の好循環を生み出すことにより、Well-beingな社会創成に貢献することを目指しております。

センター長挨拶

 医療ヘルスケア分野の課題解決のためには、疾病の発生や健康状態は、ゲノム・生活・環境因子の多様性、診療情報の不確実性を理解し、健康な状態から、未病、発病後早期から末期へと時間軸にともないダイナミックに個人の情報が変化していく「医の情報の多様性とDynamics」の理解と制御が重要であるため、令和6年4月に、臨床医学が中心となり、情報学・工学の他、生命科学・社会医学の最先端の専門家がUnder-one-roofで協働して課題解決にあたるサイバーメディスン研究センターを設立し、デジタルペイシェント部門、デジタルホスピタル部門、デジタルソサエティー部門の3つの研究部門と医療AI研究開発部門を設置しました。
 本センターは、自治体・地域とともに創出する医食環の循環型データ連携体制を活用し、未病段階から病院・介護を対象とした広範な医療機器開発・創薬研究を推進する医学・情報学・工学の先端科学技術が融合した国内初の医療DX研究拠点の構築を目指していくため、これから多くの実績と成果を挙げていき、医療現場の課題を医学・情報学・工学の分野融合研究により一気通貫体制で社会実装化に向けて、今後も努力して参ります。

サイバーメディスン研究センター長  西山博之

副センター長

櫻井 鉄也

副センター長

黒田 嘉宏

センターの特徴

  1. 医療の課題に則した多様な医療・生活・環境に関する情報を横断的に収集・デジタル化することにより、「医の情報の多様性とDynamics」をサイバー空間に再現する
  2. マルチレイヤーなデジタル情報を基に医療分野の課題解決に則した未来予測と思考を行える連動したAI技術の開発研究を行う
  3. 医療・社会デジタル情報のAI解析成果を社会実装化のため、工学的技術や政策提言による社会変革が必要

この目的を達成するため、臨床医学が中心となり、情報学・工学の他、生命科学・社会医学の最先端の叡智を集結し、各分野の専門家が垣根を取り払いUnder-one-roofで協働して課題解決にあたる